御年89歳になられる水木先生のエッセイ集。
ゆるくゆるく、へんてこで、それでいてシンプルに世の中や生き方をとらえた言葉。
いろんなことでしんどくなったときに、読むとはっとして落ち着くかもしれません。
短文でまとめられた文章が非常に読みやすく、分かりやすいです。
この本に読み方や、ルールなんて無いです。
電車の中でも、仕事や勉強の合間や寝る前なんかでも、ふとした時に眺めると、その時の気持ちによって受け取り方も変わる、そういうタイプの本。
こーんなかんじで、とーっても読みやすい。(ネタバレっぽいかも?)
http://kinue-m.cocolog-nifty.com/17/2009/05/post-cdd9.html
http://kinue-m.cocolog-nifty.com/17/2009/05/post-2e4b.html
この本の中では、一言も「がんばれ!」というような言葉は出てきません。(タイトルが「がんばるなかれ」なので、当たり前っちゃ当たり前^^)
たぶん、水木のおじいちゃんは普段から「がんばれ!」というような言葉を使わないんだろうな、読んでいてそう思った。
「張りつめた心の糸を少し緩めれば、世の中の見方が変わりますよ」
そんなふうに水木のおじいちゃんからの静かで深い、そしてどこかおちゃめなメッセージが散りばめられていました。
コトバをいくつかご紹介。受け取り方は人それぞれ。
人間だけが時計なんかをつくって、自分で自分の首をしめているんだ
急ぐことは死につながり、ゆるやかに進むことは
生を豊かにする
人間は誰でも仕事をするのはいやなものだ
仕事がめしより好きだという成功者に
時たまお目にかかることがあるが、
目の玉がつり上がって、
どことなくおかしい
私はね、
賢くなったのは七十六歳からなんですよ
全学業に秀でるのも大変だが、
一学課に秀でるのも大変なことだ
この世で楽しそうに暮らしている人たちは、
奇人変人のたぐいが多いみたいだ
もし機会があれば、一度手にとっていただいて、それぞれ自分なりの感覚で水木おじいちゃんの言葉を感じてほしい、単純にそう思えるそういう本です。
あとがきより
「この世は、悲壮な顔をしてアクセク働く人ばかり。そんな人間の顔を見たら妖怪だって逃げ出しますよ。」
と、日ごろから水木サンは言います。
そこで、みなさん、『がんばるなかれ』。
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